知的生産の技術
- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1969/07/21
- メディア: 新書
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「知的生産」は著者が造った言葉である。まさにその先駆けとなった本である。
山場は、「カードとその使い方」だろう。
カードは厚めの上質紙で、B6版、罫線入り。今でも「京大式カード」として販売されている。
この使い方には基本的なルールはある(一枚一項目、見出しをつける、日付を入れる、完全な文章で書くなど)。
けれども、これらを守れば、あとは何でも書きつけてよい。「研究の過程も、結果も、着想も、計画も、会合の記録も、講義や講演の草稿も(略)(P.59)」何でもよい。
カード化しておくと、ノートのように時系列にうもれてしまう心配もない。
さらには、随時組み換えができる。これがポイントである。「カードの操作のなかで、いちばん重要なことは、くみかえ操作である(P.58)」と述べられている。手書きでカードに書きつける。たまったら手作業でいろいろに組み替えてみて、思考の関連を見出す。新たな着想を得る。それをまたカードに書きつける。これらの作業は紙ベースならではの長所だろう。
ひょっとしたら自分の思考の歩幅に一番適しているのではないだろうかと、現在、「京大式カード」の購入をもくろんでいる。